湖に面したキャンプ場に到着した私とナベ氏。
夕暮れが迫っているのでカヤックを陸に上げ、急いでテントを立てる。
北海道の夏は本当に虫が多い。
止水の湖のほとりにあるキャンプ場とあっては尚更である。日没後暫くは我々と蚊の一進一退の攻防が続いた。
缶ビールを開け夕食を食べる。
今日の川の感想や明日の行程について話しているとビールは残り少なくなっていく。血液にアルコールの流れるナベ氏にとってはカヤック以上に至福の瞬間だ。
–川下り2日目–
ゆっくり起床してコーヒーを淹れる。
気持ちの良い朝だ。
この日は塘路湖から釧路湿原の核心部を下り、河口付近に設定したゴール地点まで降る予定。
キャンプ場を出発した我々は湖を進み、湖と釧路川を繋ぐアレキナイ川を抜け本流へと出た。
途中、ツアー中のカナディアンカヌーと何度か遭遇する。
釧路川はカヌーの聖地である。
–釧路湿原へ–
川は大きく蛇行し、広大な湿原が見えてきた。
ラムサール条約登録湿地、釧路湿原国立公園の核心部に入ってきた。
太古の時代には海だった釧路湿原。見えている丘陵は当時の海岸線である。
(原始的な景観を眺める地理学専攻出身のナベ氏)
(蛇行する川)
流速は非常に穏やか。ゆっくりと降っていく。
直線で見ればそれ程長い距離では無いのだが、大きく蛇行しているので湿原を抜けるのに時間がかかる(ぜひマップを見てみて欲しい)。
景観を楽しみながら蛇行する川を抜けると川は整備され直線になる。岩保木の水門を過ぎると川の名前は新釧路川へと変わる。
いよいよゴールが近づいてきた。
–ゴール–
最後は景色も単調でただひたすら漕ぐだけだ。
我々はゴールに設定した鶴見橋の手前に上陸した。
(2022年秋・新釧路川にて)
(ゴール!ナベ氏ありがとう!)
記念撮影をして私は車を取りに向かい、ナベ氏はカヤックを分解する。
ラーメンを食べ、温泉に入り、溜まった洗濯物をコインランドリーに突っ込み、次の目的地に移動を開始した。
久しぶりの川下りが終わった。
古くからの友人のナベ氏と共にカヤックを漕いだ最高の休日であった。
釧路川は景観、野生生物、カヤック・カヌーを楽しむ為に整備された環境などなど…川下りの聖地として相応しい川だと感じた。
次回は屈斜路湖から降ってみたいと思う。
またカヤックと共にこの川へ戻ってくる事を決め、釧路川を後にした。
最後まで読んで下さりありがとうございました!
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