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【カヤックフィッシング入門1】カヤックのルール・種類について

カヤックはパドルを漕ぐと水面を滑るように進み、陸からはいけなかった場所や、船では入れない浅瀬まで、ルールの範囲内であらゆる場所へ行く事が出来ます。

そんな楽しいカヤックフィッシングについて、ルールや安全面での注意点、必要な道具についてカヤックと釣竿と共に国内外の水辺を旅してきた木村が解説します。







カヤックフィッシングの魅力


私が感じるカヤックフィッシングの魅力は、水面との距離が近く、船や陸からの釣りとは異なる視点で釣りが出来ることだと感じています。


私がホームとする伊豆半島では、目の前に広がる青い海と山のコントラスト、何キロにも及ぶ急な崖が続く海岸線など景色のバリエーションが豊かで、その中で釣りをする事は、非日常が感じられる特別な時間です。





シイラの豪快なエラ洗いや、青い海から浮かんでくる真っ赤なアカハタ、トップウォーターにフィッシュイーターが飛びかかってくる様子など、少し視点が変わっただけで陸っぱりや船からの釣りでは感じる事のできない魅力に気づくはずです。







カヤックフィッシングの危険性


カヤックはパドルを漕ぐと水面を滑るように進み、陸からはいけなかった場所や、船では入れない浅瀬まで、ルールの範囲内であらゆる場所へ行く事が出来ます。


天候を見定めて釣行計画を立て、等深線や魚群探知機を見ながら狙うポイントを見定め、カヤックでたどり着いた場所で、自分の力で魚が釣れた時の嬉しさは格別なものがあるはずです。


一方で、カヤックフィッシングには安全面において他の釣り以上に注意する点が多いです。船舶免許が必要ないカヤックですが、刻々と変わる天候の影響をもろに受けるし、他船舶との航行にも気を配る必要があります。


前述した通り自由に動き回って釣りを楽しめるのはカヤックの魅力ですが、その一方で個々の判断が重要となる場面が多く、一人一人が船長としての自覚を持つ必要があります。

安全第一で楽しんで欲しいです。それでは主だった注意点について説明します。



カヤックフィッシングの注意点


まずは、他船舶との航行についてです。海上では右側通行の原則を頭に入れて下さい。

また、大きい船ほど影響力があります。船のサイズが上がるほど回避行動が難しく、死角が出来てしまいやすいです。


相手が避けてくれるだろうという判断は絶対に禁物。釣りをしている最中も近づいてくる船がないか常に周囲を確認し、発見次第回避するようにしましょう。


また、相手に自身のカヤックを認識してもらう事も重要です。高さのないカヤックは波間に隠れてしまい、海上での発見は非常に難しいです。

カヤックにはフラッグを必ず掲げましょう(詳しくは装備編で説明します)。


他にも他船舶との直接の接触だけでなく、引き波による転覆の危険もあります。






続いて、天候に関してです。

カヤックは陸からの釣り以上に天候に対してシビアになる必要があります。風・波・雨・落雷など、沖にいる間の天候の推移を事前に調べ、計画的に釣行して欲しい。


天気予報のアプリやサイトなどは複数をチェックして総合的な判断をするようにしましょう。釣行計画も綿密に練る必要があります。



カヤックのマナー


マナーについて触れます。

定置網や生簀へのカヤックの係留は絶対にやめましょう。過去に漁業関係者とのトラブルに発展した事例も耳にしたことがあります。

出艇場所に関しても、漁港のスロープなどの使用を禁止している場所も多いです。漁港など港湾施設からの出艇は控えましょう。


また、エリアによっては禁漁期間を設定している魚種が存在するところもあります。事前に情報収集をしてトラブルのないように努めて下さい。


出艇場所の選び方


カヤックの出艇場所の選び方について説明します。

カヤックは出艇と着岸時に転覆のリスクが最も高いです。外海からの波が直接入るような場所は、少し波が出ただけでも波打ち際で波が割れる為、慣れていないと危険です。


まずはワンドの中の砂浜や沖に防潮堤などの波を遮るものがある穏やかなエリアからのエントリーがおすすめです。事前に潮流や障害物、海岸線の地形などをリサーチしておきましょう。






出艇前には場所や帰着予定の時間を誰かに伝えるようにしましょう。


海へ漕ぎ出す前に安全確認。フラッグは立てているか、パドルはリーシュでカヤックと繋いでいるか、ドレンプラグ(シットオンカヤックの場合)は閉まっているか再確認します。


ドレンプラグ(上陸後にシットオンカヤック内部に入った水を抜くためのもの)を締め忘れると、中空のカヤック内部に水が侵入し沈んでしまう危険性があります。忘れないようにして下さい。


出艇後の注意点


波の角度や風の影響で岬を越えると海況が一変する場合があります。

特に岬先端は波がたちやすく注意が必要です。岬を越える前に状況を観察したり、岬を大回りして越えるなど細心の注意を払って下さい。


また海中には洗岩や干出岩が存在する。周りより波立っている所は洗岩や干出岩がある可能性が高いので気をつけて下さい。釣りをしながらも常に周りを観察する必要があります。


今述べたこと以外にもカヤックフィッシングを行う上での注意点は沢山あります。

最初のうちはなるべく経験者や専門のガイドの方と一緒に出艇して欲しいです。



カヤックの種類


カヤックといっても素材や形、大きさなど様々。それぞれの釣りのスタイルや保管方法によって選択肢が変わってくるので自分に合ったものを選んで下さい。


まずはカヤックという乗り物について。カヤックはブレードが二つついたパドルを使用したカヌーのことを指します。一般的にカヌーと呼ばれる艇との違いはこの点です。


また使用するフィールドによって、シーカヤック、リバーカヤック、シットオンカヤック、フォールディングカヤック(ファルトボート)、インフレータブルカヤックなどの種類があります。

ここでは、カヤックフィッシングで用いられることの多いシットオンカヤック、フォールディングカヤック、インフレータブルカヤックについて説明します。


シットオンカヤック





シットオンカヤックは名前の通り、デッキの上に座るタイプのカヤックです。中空構造になっていて高い浮力があり、安定感もあるのでフィッシングカヤックとして主流となっています。最近では足漕ぎタイプのシットオンカヤックも人気。こちらは釣りをしながら足でカヤックをコントロール出来るのが魅力です。


素材にはポリエチレン、FRP、ABSなどがありますが安価なポリエチレン艇が流通量が多いです。

艇本体への直接の艤装がしやすく魚探やロッドホルダーが取り付けやすい、衝撃に強いなどカヤックフィッシングにメリットの多いシットオンカヤックですが、重い・保管場所の確保などがデメリットです。


海でのカヤックフィッシングでおすすめの艇の長さは12ft前後。10ft以下のものは取り回しは良いが波に弱く、内湾や内水面向きです。重量は20~35㎏前後。車にはルーフキャリアを取り付けて車載します。カヤックの車載をアシストするための器具も市販されているため、慣れれば一人でも車載が可能です。


フォールディングカヤック





フォールディングカヤック(別名:ファルトボート)はフレームと船体布で構成される折り畳み式のカヤックです。

軽いので持ち運びがしやすく、保管場所にも困らないのがメリット。波の穏やかな内湾から湖、穏やかな流れの川でのツーリングまでカヤックフィッシング以外でも活躍の幅は広いです。


ザック型の収納袋に入るので背中に背負えるのも魅力。私はこのカヤックで国内外の水辺を竿を持って旅してきました。電車釣行をしたこともあります。


デメリットは、艇の内部に入って座る構造の為、シットオンカヤックと比較して上半身の動きが制約され釣りがし難い、艤装がし難いなどです。なお、組み立てに関しては慣れれば30分程で完成するものが多いです。


インフレータブルカヤック


こちらは空気を膨らませて使用するカヤック。

膨らますだけなのでセッティングが簡単、収納性が高いといった点が魅力です。一方で風に弱い、魚の棘や船底の擦れに注意する必要がある(補修は可能)などデメリットもあり海でのカヤックフィッシングの際は注意も必要です。


カヤックは決して安い買い物ではありません。

用途や保管方法などそれぞれのスタイルや環境に合わせて慎重に検討するようにして下さい。


カヤックフィッシング入門。今回はカヤックのルールやマナー、カヤックの種類についてお伝えしました。


次回もよろしくお願いいたします。



T.S.Vではカヤックのギアを開発中です。ご期待ください‼︎



 

執筆者 木村紘大


海・山・川で生き物を追いかける外遊びの人。15歳から海辺の家で一人で暮らし、19歳の時に初アマゾン河を経験。カヤック、釣竿、網を持って国内外の水辺や山を歩きまわる。




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