木村です!
昨年秋にフォールディングカヤックで北海道の釧路川を降った模様をレポートします。
–出発–
昨年晩夏、私と友人のナベ氏は東北の山にテントを張り、虫を追いかけていた。
私とナベ氏は10代前半の頃からの仲である。
星空の下、晩飯を食べながら思い出話に花を咲かせていると、ふと荒川を安物のゴムボートで埼玉から東京まで降った時の話になった。
「久しぶりに川を降りたいな」
どちらともなく呟きスケジュールを確認する。
ナベ氏はこの夏をもって今の仕事を退職予定で転職までの有休消化期間。私は夏の繁忙期が終わるタイミングである。
行くなら今しかない。話しはとんとん拍子で進み二週間後の9月上旬に決行が決まった。
9月になると航空券やレンタカーはグッと安くなり、夏に比べると遠征はしやすくなる。
問題はカヤックを輸送する方法である。
私は南西諸島や海外にフォールディングカヤックを飛行機で運んだ経験が何度もある。
・飛行機に追加料金を払ってカヤックを積み込む方法
・出発前にカヤックを現地まで宅急便などで先送りする方
大きくこの二つがある。
それぞれのコストを計算したり、現地でのレンタカーの手配、それに加え今回は川下りの為、スタート地点までカヤックを運んだり目的地まで降ったカヤックのピックアップ方法、降っている最中のレンタカー返却の有無を検討しなければならない。
またカヤック以外にも、テントやキャンプ道具、ライフジャケット、釣り道具などを限られた重量の中で持っていく必要がある。
私「面倒くさい…いっその事、車ごと飛行機で飛ばしたい…」
私「あっ、車で行けば良いのか!」
ナベ氏「それだ!」
というわけで、早々にフェリーに車ごと積み込む事に決定。航空券+レンタカーの代金より多少値段は高くなるものの、これで輸送に関する問題は全て解決する。
急遽長期休暇を取る為、大急ぎで仕事を片付け、車に二艇のカヤックと必要な道具を満載してフェリーに乗り込んだ。
大洗港を出発するフェリーは翌日の昼過ぎに苫小牧港に到着する。
買い物をしてここから釧路まで300kmのロングドライブ。
今回の遠征の計画は、屈斜路湖河口をスタートし三日間かけて川を降り、釧路川の最河口部をゴールとする予定であった。
しかし、前日までまとまって雨が降り続き増水している事(屈斜路湖河口の釧路川源流部は難所である)、その後のスケジュールなどを鑑みてスタートは標茶駅近く、ゴールは釧路川河口までの二日間の行程へと短縮した。
–川下りの準備–
夜のうちに釧路市内に到着し温泉で小休止。
翌日暗いうちに標茶の出発地点までカヤックと荷物を上げる。
荷物を下ろしたら再び50km走りゴール地点の釧路市内にある釧路川河口まで戻りコインパーキングに車を停める。
本数の少ない電車に急いで飛び乗り、出発地点の標茶へと向かった。
電車は釧路湿原の中を走り、車窓からは曲がりくねりながら流れる釧路川が見えてきた。
今回の行程は単純な直線距離にして50kmだが、実際はどのくらいあるのだろうか…
標茶駅に到着。
簡単な朝食を食べてスタート地点へ。
カヤックを組み立てる。
30分ほどかけて二艇のカヤックが出来上がった。
荷物は全て複数に分けたドライバッグへ入れ、万が一の流出に備えて艇に固定する。
天気は気持ち良い秋晴れ。
いよいよ久しぶりの川下りに出発する。
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